あるPDD-NOSの倉庫(仮)

PDD-NOS(アスペ兼ADHD)が発達障害の話をするブログ(^q^)

グアンファシン(ADHD薬Intunivの成分)英語wikiの和訳 2

こんにちは!まぶちです。

先日日本で製造販売申請された、ADHDの新薬インチュニブ(Intuniv) の成分、グアンファシンの英語wikiの和訳記事、2回目です。

※追記:中枢神経刺激薬との飲み合わせが悪い?と書いてましたが、ソースへのリンクを追加しました。(2月22日)

1回目は↓からどうぞ。

 

soko-of-pdd-nos.hateblo.jp

 また、使用者の評価については↓からどうぞ。

 

soko-of-pdd-nos.hateblo.jp

 

今回は英語wikiの順番と前後しますが、注意欠陥多動性障害(ADHD)の項と、チックの項を載せます。

予定としては、次回で不安障害・離脱症候群、その次に副作用のつもり。

訳注については結構手間がかかるので、前回より少なめです。許して。

 

引用元:
https://en.m.wikipedia.org/wiki/Guanfacine
(最終更新は去年12月、2月1日に参照しました)

まず和訳のみ。

 

注意欠陥多動性障害 (ADHD)

2010年、米国食品医薬品局 (FDA) は、6-17歳の小児の注意欠陥多動性障害 (ADHD)の治療のために、クロニジンと同様に、グアンファシンの単独・もしくは他の刺激薬との併用を承認した。[11]この作用は前頭葉前皮質による、注意や行動に対する制御を強める働きによると思われる。[12]グアンファシンはまた、治療効果を増大させたり、反動を軽減させるために、刺激薬と併せて使用される。睡眠を促すためには夜に服用する。[13] 

 

前頭葉前皮質のニューロンシナプス後のα2Aアドレナリン受容体での作用を通し、グアンファシンは前頭葉前皮質のネットワークの接続を強化し、行動や注意、感情の制御を改善すると考えられる。[14]

動物モデルにおいて、 グアンファシンは多数の認知の要素に作用し、作動記憶(ワーキングメモリー)の改善、転導性(心理、思考や注意のそれやすさ)の抑制、応答阻害の改善、注意力の向上、衝動性の抑制などを行うとみられる。ある研究において、効果が最も現れたのは、認知障害を持つ被検体であった。健康な若い動物には、より微細な作用がみられた。[12]

 

空間作動記憶におけるパフォーマンスの向上は人間においても認められた。[15]
別の研究では、健康な成人男性の実行機能及び作動記憶に対しては効果がなく、グアンファシンの鎮静作用によって、2つのタスクを同時に行う能力が少し低下したとされた。[16]

近年の研究において、グアンファシンは、 前頭葉に対する外傷性脳損傷 [17]、高次認知機能に影響する脳卒中[18]、精神的外傷を与えられた子供たちにおいてみられるような、調節不全の情動行動[19]、といった様々な前頭前皮質の障害について患者の助けになり得ると示唆されている。

グアンファシンの副作用は用量に依存しない。[20]

 

チック
近年の研究によると、 チックの治療におけるグアンファシンの有用性については見解が分かれている。 (要出典)
ADHDとチック症が合併している場合、効果が得られており、 グアンファシンおよび他のα2Aアドレナリンアゴニスト(クロニジン)は、一般に治療の第一選択肢である。」

 

 

個人的な雑感です。

注意力に改善が見られるとのことですが、作用機構を考えると、交感神経が抑制されるはずなので、???となってます。

脳が活動しすぎて注意が散漫になるタイプになら効く気はする。

ぼーっとしてるタイプには効かないんじゃないかと思います。私みたいな(^q^)

 

以下の記述もそんな感じですね。

Another study found no effect on healthy male adults' executive functions and working memory, and small decrements on 2 tasks relating to the sedative effect of guanfacine.[16]

「別の研究では、健康な成人男性の実行機能及び作動記憶に対しては効果がなく、グアンファシンの鎮静作用によって、2つのタスクを同時に行う能力が少し低下したとされた。」

 

マルチタスク能力には効かないどころか低下しそうです。

 

人によって効く効かない、というかうまく使えるか使えないかがはっきり分かれそうです。

 

 

では、以下原文と訳注です。

 

 

 

 Attention deficit hyperactivity disorder
The US Food and Drug Administration (FDA) has approved guanfacine for the treatment of attention deficit hyperactivity disorder (ADHD), like clonidine, alone or with stimulants in 2010, for pediatric patients aged 6–17 years.[11]

注意欠陥多動性障害 (ADHD)

2010年、米国食品医薬品局 (FDA) は、6-17歳の小児の注意欠陥多動性障害 (ADHD)の治療のために、クロニジンと同様に、グアンファシンの単独・もしくは他の刺激薬との併用を承認した。[11]」

clonidine:クロニジン ←使ってる方いますか?

 

Its beneficial actions are likely due to its ability to strengthen prefrontal cortical regulation of attention and behavior.[12]
Guanfacine is also used in conjunction with stimulants to augment therapeutic actions, reduce rebound, and when taken at evening, to induce sleep.[13]

「この作用は前頭葉前皮質による、注意や行動に対する制御を強める働きによると思われる。[12]
グアンファシンはまた、治療効果を増大させたり、反動を軽減させるために、刺激薬と併せて使用される。睡眠を促すためには夜に服用する。[13] 」

※以前の記事(使用者の評価)の2番目のレビューに、寝る前に服用した描写がありましたね。

どこかでコンサータとの飲み合わせが(作用が反対なので)ヤバイと見た気がするんですが、併用って大丈夫なんでしょうか??ビバンセ(Vyvanse)のことかもしれませんが。

コンサータの併用ダメそうです。↓もしかしたらstimulantの訳語がおかしい??

Concerta and guanfacine Drug Interactions - Drugs.com (2月22日追記)

 

 

Guanfacine is thought to improve regulation of behavior, attention, and emotion through actions at post-synaptic α2A adrenergic receptors on prefrontal cortical neurons, which strengthen prefrontal cortical network connections.[14]

「前頭葉前皮質のニューロンシナプス後のα2Aアドレナリン受容体での作用を通し、グアンファシンは前頭葉前皮質のネットワークの接続を強化し、行動や注意、感情の制御を改善すると考えられる。[14]」

post-synaptic α2A adrenergic receptors:シナプス後のα2Aアドレナリン受容体

 用例があまりなかったので、「の」を入れました。

 

In animal models, guanfacine is seen to affect a number of cognitive factors, including working memory improvement, distractibility reduction, response inhibition improvement, and enhanced attention and impulse control.

「動物モデルにおいて、 グアンファシンは多数の認知の要素に作用し、作動記憶(ワーキングメモリー)の改善、転導性(心理、思考や注意のそれやすさ)の抑制、応答阻害の改善、注意力の向上、衝動性の抑制などを行うとみられる。」

distractibility:転導性 

医学用語です。こんな単語わからないwwwと思ったので()で補足しときました。

日本語として自然にするために若干意訳しました。

 

Improvement is most evident in subjects with cognitive deficits; more subtle effects are seen in healthy young animals.[12]

「ある研究において、効果が最も現れたのは、認知障害を持つ被検体であった。健康な若い動物には、より微細な作用がみられた。[12]」

※多分上の文と出典が同じはずなんですが、一応「ある研究において」を補足。

subtle effects:微細な作用 としてますが、もしかすると「若い動物はより少ない量で作用がみられる」の意味かもしれません。出典未確認。

 

Performance increases in spatial working memory have also been observed in humans.[15]

「空間作動記憶におけるパフォーマンスの向上は人間においても認められた。[15]」

 

Another study found no effect on healthy male adults' executive functions and working memory, and small decrements on 2 tasks relating to the sedative effect of guanfacine.[16]

「別の研究では、健康な成人男性の実行機能及び作動記憶に対しては効果がなく、グアンファシンの鎮静作用によって、2つのタスクを同時に行う能力が少し低下したとされた。[16]」

 

Recent studies suggest that guanfacine may help patients with a variety of prefrontal cortical disorders, including traumatic brain injury to the frontal lobe,[17] strokes affecting higher cognitive function,[18] and dysregulated emotional behavior, e.g. in children who have been traumatized.[19]
Side effects of guanfacine are dose-dependent.[20]

 「近年の研究において、グアンファシンは、 前頭葉に対する外傷性脳損傷 [17]、高次認知機能に影響する脳卒中[18]、精神的外傷を与えられた子供たちにおいてみられるような、調節不全の情動行動[19]、といった様々な前頭前皮質の障害について患者の助けになり得ると示唆されている。グアンファシンの副作用は用量に依存しない。[20]」

traumatic brain injury:外傷性脳損傷

stroke:脳卒中

dose-dependent:用量依存の

 

 

はい!次チックいきます!!

Tics
According to recent studies (Srour et al., 2008)[full citation needed] there is controversy as to guanfacine’s usefulness in treating tics. 

「チック
近年の研究によると、 チックの治療におけるグアンファシンの有用性については見解が分かれている。 (Srour et al., 2008) (要出典) 」 

 

There has been success when tic symptoms are co-morbid with ADHD, and as such, guanfacine and other α2A-adrenergic agonists (clonidine) are commonly the first choice for treatment.

ADHDとチック症が合併している場合、効果が得られており、 グアンファシンおよび他のα2Aアドレナリンアゴニスト(クロニジン)は、一般に治療の第一選択肢である。」

※出典がないのですが、↓より比較実験が行われたのは[Leckman et al 1991, Scahill et al 2000,Scahill et al 2006]と思われます。原文未確認。

http://grj.umin.jp/grj/tourette.htm

 

 

ここまで読んでいただいてありがとうございました!

 

まぶち