あるPDD-NOSの倉庫(仮)

PDD-NOS(アスペ兼ADHD)が発達障害の話をするブログ(^q^)

アンケート(発達障害者へ、子供を作ってよかったですか?)とその感想

今回はTwitterで取ったアンケートと感想をお送りします!
アンケートはずいぶん前にとったものですが、記事にするまで時間がかかってしまいました(先延ばし癖)
大した考察はないのですが、参考として記事化しておこうと思います。

目次

  • アンケートの経緯・結果
  • 先行アンケートについて
  • 感想など
    • なぜ子どもを作りたくないか?なぜ後悔しているのか?
    • アンケートの問題点等
    • 発達障害者のネットワークが細分化・分断されている

1.アンケートの経緯・結果

こんなブログをやっている通り、私は発達障害者(PDD-NOS)です。
以前から子供をもつことの是非について考えていました。
そんな中、以下のアンケートをTwitterで目にしました。

こちらに便乗して
「診断済みで子供がいる発達障害者は、子供を作って良かったと思っているか、後悔しているか」を聞くことにしました。


設問は先行のアンケートに倣ってYES NOの2択にしました。
回答期間は3月25日~26日です。
※回答数に入っていませんが、リプライで回答していただいた方もいます。元ツイートをご覧ください。
※診断の有無で考え方が変わると考えているため、解答者を診断済みの方に限定しました。(雨さんのアンケートでは疑い含みです)

2.先行アンケートについて

独身の発達障害者への類似のアンケートについては、以下の記事があります。
hattatu-matome.ldblog.jp
Twitterで教えていただきました)
まとめサイトのため、Twitterとは回答者の層が異なるかと思います。



3. 感想など

結果として、独身者は子どもを持ちたくないと考えている人が多く、子持ちの人は子どもを作って良かったとする人が6割弱ということになりました。
投票数などを考えると、結果を数字だけで論じるのはあまり良くないと思っています。
YES・NOで簡単に片づけられるものではないなと感じました。
以下は私の主観による個人的感想です。

なぜ子どもを作りたくないか?なぜ後悔しているのか?

ツイートへのリプライや、TL上の意見などから、子どもを作りたくない・後悔している理由を以下の3つの理由に分けました。

  • 社会に迷惑がかかる
  • 子ども自身が困る
  • 親(自分)自身の生活に支障が出る

社会・子ども自身・親(自分自身)のどこに影響が出るかです。
基本的に「子供に発達障害が遺伝すること」を前提に考えているように見受けられます。
(親自身への影響に関しては、子供が定型発達の場合でもあり得ますが、遺伝した場合はより支障が大きくなる)
社会へ与える影響を考えた場合、優生学の話が出てきます。このあたりは割愛。

私自身は「(子どもに遺伝して)子ども本人が困る」を一番重視して考えていたのですが、
自分でも気づかないうちに、
・遺伝する前提で考えていた
・自分の生活に出てくる影響を見落としていた
ことに気が付きました。
障害特性上、認知の歪みが生じやすいとはいえ、偏った思考だと思います。


リプライでは親は障害者・子どもは定型発達の場合の話も聞きました。
現時点で、発達障害は遺伝的要因と環境的要因が複合していると考えられています。
「確実に遺伝する」という認識は事実と異なるのかもしれません。
(家庭内集積性が高いのは事実)

アンケートの問題点等

個人的に感じたのが、回答者数が少なかったこと。
また、独身者へのアンケートと比べると、当初の伸びが悪かったことです。
(最終的にたくさんRTしていただきましたが、最初は本当に伸びなかった)
この理由としては、大きく分けて2つ、アンケート自体の理由と、回答者層についての理由が考えられるかと思います。

★アンケート自体に関する理由
・回答をYES/NOの極端な2択にした
・回答者を診断済の人に限定した
・質問の内容的に答え辛い
・回答期間が短すぎた(1日は短すぎました......反省)

★回答者の層に関する理由
・子供がいる層は未診断のこともある
・アンケートが子どもがいる層の目に触れなかった


アンケート自体の理由としては、自分でも手際が悪かったかと思います...
通常のアンケートの場合、こういう重めの質問は、簡単な質問を導入として行った後にするものかと思いますが、Twitterの仕様上これはできず...
回答にどちらかといえばよかった・どちらかといえば後悔している、の2つを入れれば少しましだったかもしれません。

子供がいる層が未診断のこともある、というのは、年齢・能力的な推定です。
発達障害は最近知名度が上がりましたが、特に成人以上になると、未診断の場合が多いと思われます(アンケートは診断済の人のみ対象)
成人の発達障害者の場合、二次障害によって成人後に発覚する話ばかりを聞きます。
子供がいる層では、結婚している・パートナーがいたという時点である程度の社交能力・社会的地位があると考えられ、診断に至るケースも少ないのかもしれません。

発達障害者のネットワークについては次の節で述べます。

発達障害者のネットワークが細分化・分断されている

回答者数がなかなか増えなかった理由として、このツイートが子供がいる層の目に触れなかった可能性があります。
というのも、私のフォロワーには子供がいる人が少ないのです。
Twitterは趣味や年代など、ある程度似たような属性を持つ人がつながっていることが多いです。中でも発達障害という属性は細分化されているように思えます。
私の場合、メインで交流するのは「成人後に発達障害の診断を受けた20代~30代前半の独身者」が多いです。

よく出てくる話題に「発達障害に無理解な親」があります。
発達障害が発覚しないまま子供時代を過ごした場合、発達障害に起因する問題が、「本人自身の問題」として認識されます。
これは親からの過剰な叱責につながりやすく、親を攻撃するツイートも見かけます。

また、発達障害者への支援は発展途上で、成人よりも子どもの方が手厚い支援を受けられているように思われます。
うまくいっていない成人当事者には、子どもへの療育に気を配る余裕はありません。
妬ましいとすら感じることもあるでしょう。
私自身、親が発達障害に理解があって、本人の適性にあった教育を受けられている子どもたちが、とてもうらやましいです。

また、親側からしても、私たちのツイートを見たくないのではと考えています。

順風満帆な人生を送っている発達障害者は、発達障害の診断を受ける必要があまりありません。
成人後に発達障害の診断を受ける人は、日常生活に何らかの障害があったり、うつ病などの二次障害によって診断に至る場合が多いです。
子どもの将来を心配する親としては、成人当事者の現状はあまり見たくないものだと思います。



発達障害の当事者会を運営している石橋尋志さんのツイートを引用します。
当事者会の運営にあたって、障害を持つ本人たちと、その親の会を別々に主催するそうです。

ある程度の分断・細分化は現状では仕方ないことなのかもしれません。
今後、発達障害の認知や早期診断が進めば、状況は変わると考えています。




もし今後私が子供を作る場合、親自身への影響についてだけでも覚悟を決めておきたいです。
社会や子供本人のことは変えられませんが、親(自分)自身についてはできることがあると考えています。


最後に、アンケートにご協力いただいた方、引用に快諾いただいたお二方、ありがとうございましたm(_ _)m
推論ばかりになりましたが、何かの参考になればよいと思います。


まぶち